宮部みゆき「楽園」
解説に“「模倣犯」のスピンオフ”とありますが、ほんとにそのとおり。
「模倣犯」に登場したフリーライター前畑滋子が主人公とはいえ、まったく関係ないところで関係ないストーリー展開です。
一人の少年の夢と16年間隠されていた少女の死体が、読者をなんとも不気味な世界に引きずり込み、上下巻900ページの長編をいっきに読ませるのはさすが。
少しずつ明らかになる少年と少女の家族の秘密にも不自然さがなく(少年の話はとっても不思議なんですがね^^;)、゛とんどん重たい気分にさせておいてラストは晴れ晴れ。
この人の時代小説もとてもおもしろいけど、やっぱり不安な今を舞台にしたこういう話がわたしは好きです。
模倣犯読んでない方はできればそちらからどうぞ。
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